積読,豆乳,サバイバル

読んだ本と考えたことを繋ぐ場所

スーパーに陳列されてたディストピア

少し前の話.

スーパーであるお酒が目に止まった.

それはビンのお酒みたいなんだけど,A4サイズくらいの紙がビンに直接貼られている. 印刷紙であろう安っぽいその紙に,安っぽい賞状のイラストと明朝体で記された文章が印刷されている.

「何これ?作って遊ぼでゴロリが作ったおもちゃ?」みたいな見た目だ.

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作って遊ぼのイメージ

どうやら父親への感謝状のようである. 「このお酒を飲んでお仕事頑張ってください」みたいなことが書いてある. 父親というATMにアルコールという燃料を注ごうとさせているみたいだ.

父親に感謝する日がなぜか年に1回と決められていること... それが企業の販促の口実という感謝とは程遠い商業主義的な用途で利用されていること... 健康を害いかねないアルコール飲料が贈呈されること... そんなアルコールが父親にとっての楽しみだとプレゼントを送る人から見られていること...

これを考えついて,実行した人,お酒の瓶の周囲に安っぽい紙を巻きつけてセロテープで固定する仕事をした人はどれだけ無表情だったんだろうかと想像してしまう. 多分自分が父親だったらこんなものを贈呈された日には行動のあまりの表面的さに卒倒してしまうと思う.

ちなみにそのお酒は700円くらいの安ウイスキーだった.